地域キャリア論Ⅰ(第9,10回)授業報告
2019年12月18日
兵庫県立大学COC+です。2019年12月16日、第9,10回目の地域キャリア論Ⅰの講義を実施しました。年内最後の講義となりした。前半は近藤清人氏による「デザイン経営で事業承継を支える」、後半は明石市職員の方と豊岡市職員の方による「公務員として働く」です。年末のお忙しい中を貴重な講義を下さり、誠にありがとうございました。
近藤氏からは、最初に日本の労働生産性の低さや、少子高齢化による今後の労働力の見通し、中小企業の現状等、具体的な数字から今後の日本で働くことをイメージしました。現実の数字を知り、学生は少し戸惑い、不安を感じる場面もあっていた様子です。
そのような現状を語りつつも「こういう現状はあるけれど、違う視点で見てみたらチャンスはたくさんあるのだ!」とデザイン経営をキーワードに近藤氏が実際にコンサルタントとして手掛けてきた様々な地域資源を生かした事例をいきいきと紹介されました。それらの事例に学生は前のめりに話に聞き入りました。
「自分の好きなものと今の社会問題などを掛け合わせるという考え方にとても興味を持った」「デザインの意義を拡張することができるようになった」「だめかもしれない資源×自分の好きなもの=素晴らしいもの」という考え方に共感しました。今、ゼミで学習している空き家問題等ともかかわる考え方で非常に興味深く、「なぜ」から考えることが大切だとうことがよくわかりました」「私も田舎の出身ですが、何もないではなく、資源をよく見て、働く場としての可能性を探したいと思いました」といった感想がありました。
4限は明石市の若手職員として、本学の卒業生の男女2名の職員の方が明石市について説明くださいました。わかりやすい地図、明石市の取り組み、仕事につくまでのプロセス、実際の働き方等、先輩の具体的なお話から若い意欲的な公務員の生き方に触れることができました。「明石市を受けてみたいと思った」「公務員に全く興味がありませんでしたが、人に喜んでもらえる非常に大切な仕事だということを再認識した、素晴らしい仕事だと思う」等の感想がありました。
次に豊岡市のワークイノベーション推進室室長の若森洋崇氏による講義です。
https://www.city.toyooka.lg.jp/shisei/soshiki/busho/1007396.html
「働き方とイノベーション」(執筆中テキスト)における取材で氏にお目にかかり、豊岡市の先進的なジェンダーに関する取り組みを紹介することにより学びが深まると考え、講義を依頼しました。
ご自身の東京での学生時代、豊岡市に入庁してからのお仕事について写真や映像を含めて説明くださいました。そして多くの自治体が抱えるジェンダー平等に対し、豊岡市は専門の部署を作り、宣言をし、企業や市民を巻き込んで課題を解決する動きをしていることを詳しく教えて下さいました。「豊岡市はこのような取り組みをしていて本当にすごいと思った、一度行ってみたい」「規模が大きくないからこそ、大きなテーマを任せてもらえるということに納得した。このようなことをするのであれば公務員等仕事も面白いかもしれない、自分の出身地についても調べてみようと思う。」「世代や性によって働き方が違うことを実感した。」と室長として、テーマを持ち全体を見ながらダイナミックに具体的に事業を進められている様子から多くを学んだ様子でした。