(株)籠谷様×兵庫県立大学経営学部都築ゼミ 商品化インタビュー

2018年度後期に、兵庫県立大学 経営学部 基礎ゼミナールの一回生と兵庫県の鶏卵メーカー株式会社籠谷様が連携して卵のパッケージデザインを考え、そのデザインが採用されて商品化しました。その取り組みの振り返りとして8名の学生の皆さんへのインタビューを5月30日に実施しました。

卵のパッケージのデザインは、兵庫県立大学 経営学部1年生を対象とした「基礎ゼミナール」でPBL(問題解決型学習)の形式で実施されました。株式会社籠谷様は新たな自社ブランド卵のパッケージデザインをするという課題を学生に提示されました。都築准教授の指導の下、学生は5人1組3チームのチーム課題とし、市場調査、マーケティング、企画立案、デザイン作成、プレゼンテーションを実施しました。

商品となるブランド卵は白色卵で兵庫県産の飼料米を与え、兵庫という“地域ブランド”を打ち出した商品です。

学生たちは10月からの3か月間に渡り、時には授業外でも集まり、使い慣れないパワーポイントでのプレゼンも自学により克服しながら合計9つのデザイン案を提出しました。その中で採用されたデザインは、「毎日作ってくれる手料理から愛情や元気をもらっていた」という自らの経験を基にし、家族に対して「試合/テスト/プレゼンをがんばって」と卵料理で応援する場面をパッケージで表現したものになっています。

卵のパッケージデザインの提案は決してなだらかではなく、インタビューでは、慣れないプレゼンテーションの準備に苦労した話、効果的なキャッチフレーズがなかなか決まらなかった話なども語られました。全体的には成功要因としてのポジティブな感想や、このプロセスを経ての変化や成長についての発言が多く、この講座を振り返って自分たちの学びを明確化していきました。
リーダーになった時は不安だったが、チームの皆が自発的に最後まで手伝ってくれ、それが意外で嬉しかった。
授業外でも昼休みや放課後に皆が自発的に集まり、頻繁に集まることによって良いアイデアを皆で出せた。
都築先生が「全ての言葉に根拠を」というアドバイスをくれたおかげで、一貫性のあるぶれないプレゼンが出来た、
ゼミの先生が最低限のアドバイスで学生に任せてくれ、結果的には求められる以上のものができた。
アイデアを“滝”のように出す人、ぜひリーダーになってほしいと推薦される人、分担を提案してきぱき進める人等、様々な強みを持った学生が集まったからこそお互い助け合え、上手く役割分担できた。
誰かがアイデアや意見を出した時、すぐに否定する人がいなかったので、臆することなく自由な意見が言えた。それが自信にもつながった。


このパッケージデザインを通して「チームワークの重要さを学んだ」「向上心、日ごろの意欲があがった」など、学生はそれぞれ自分なりの“何か”をつかんだようでした。

株式会社籠谷様の古川様は、ご自身が職業選択をする際に「自分で考え行動する」ということを大事にしていることを学生に伝えて下さり、これからの大学生活や日常生活において自身の強みや特徴を伸ばすような取り組みが出来る、というメッセージも送ってくださいました。また、全体を通して「一回生だったからこそでしょうか、先入観にとらわれない自由な発想で、斬新なデザインを考えてくれました」「実際の仕事に近いプロセスを経験したのではないか」など、このプロジェクトの学びを意味づけしてコメント下さいました。

2018度の基礎ゼミにおける産官学連携事業では、1年生の挑戦を沢山の方に支えて頂きました。株式会社籠谷様、コーディネートを下さった中小企業診断士の塔筋様、稲垣様、兵庫県消費流通課のご担当の方にもこの場を借りて感謝申し上げます。

2019年度に関しましては、公募でこのような事業に取り組んでくださる企業様を募集させて頂くこととなりました。今後とも学生の挑戦の応援を頂けましたら幸いです。